廃棄するパソコンの内蔵ハードディスクは壊してから捨てるべき

廃棄するハードディスクを転売していた、という事件が発覚し驚いております。
事件の内容は、
- 神奈川県庁で納税関係の行政文書を保存したハードディスク(コンピュータのデータ記録装置)を廃棄することになった
- 廃棄は業者が担当したが、担当した会社の社員一人がそのハードディスクを盗みネットオークションで転売した
- ネットオークションでハードディスクを買った人がデータの復元を試みたところ、自動車税の納付記録や税務調査の通知などの公文書が復元され読み取ることができた
- 盗まれたハードディスクは18個。全部回収はできていない
ビックリです。
一番悪いのは、ハードディスクを盗んで転売した会社員ですが、
県庁職員や会社のほうも
ハードディスクは消去しても物理的に破壊しないと復元できる可能性がある
という基本を知らないはずはないのにな、と思いました。
目 次
ハードディスクは復元できます
「ハードディスク 復元」と検索すると
誤って消去・フォーマットしてしまったハードディスクのデータを復元します、という業者がたくさん存在していることがわかります。
何も怖いことではなく、
何かのタイミングで壊れてしまったり誤って大事なデータを消去してしまったりしたときに元に戻すことができる、という話です。
(できないこともあります)

つまりフォーマットしても
復元できちゃうんですよね。
わたしが務めていた会社は、従業員が数人の小さな会社でしたが、
社長が情報漏洩を大変心配していまして、
パソコンを廃棄するときは必ず
- フォーマットはもちろんするがそれだけで廃棄しない
- 中のハードディスクを抜き出し物理的に破壊する
↑これを徹底していました。
「物理的な破壊」とは具体的にいうと、
パソコンからハードディスクを取り出し、ハードディスクの中から磁気の円盤を出して、
粉々に割るか、ドリルで穴をあける
です。
パソコンの内蔵ハードディスクを取り出す場合
ハードディスクは磁気の円盤で、ネジが特殊な星形をしています。
これを空けるには「トルクス」という種類のドライバーが必要です。
トルクスは
ホームセンターなどで売っていますしもちろんアマゾンでも売っています。
値段も500円~1,000円ほどです。
少し古いですが、パソコンのハードディスクを破壊したときの写真がありました。
自分でハードディスクを破壊する
でも自分でなんとかすることができればそのほうがいいです。。
というわけでやってみました。
右側の緑色の基盤がハードディスクです。

トルクスドライバーも含まれていました。
この中にある円盤状のものがハードディスクです。
結構ガッチリついているのでドライバーでこじあけたりします。

ハードディスクは銀色の円盤です

キズをつけます・・
昔ながらのタワー型PCに使うようなゴツいタイプは厚みがあり、折り曲げられないほどの強度がありました。
そういうものは表面に無数のキズをつけました。
そのあと念のため数日間水につけてからゴミとして廃棄。水につけたのはもっとダメージを与えるためです。
ノートブックに内蔵されているのは薄型だったので、トルクスドライバーで中を開けた後、丈夫な紙袋に入れて曲げたり叩いたりして破壊します。
紙袋に入れるのは飛び散るからです。

ノートPCのハードディスク。
紙袋に入れて(粉々に飛び散るので)そのうえから力を加えて割ります。

カンタンに粉々になりました。
業者に頼んで破壊してもらう
ビックカメラやソフマップなど大手の家電ショップにいくと専用の破壊装置でハードディスクを物理的に壊してくれるサービスがあります。
1つ1000円前後です。
こちらも2012年頃の写真、少々古くて申し訳ないのですが、
有楽町のビックカメラで破壊してもらったときの写真です。
専用の機械で穴をあけてくれます。
1つにつき1,000円程度です。

専用の機械で穴をあけてくれます

確認後、廃棄もしてくれます
SSDはどう?
最近はハードディスクではなく、SSDを使うパソコンも増えていますが
こちらはソフマップやビックカメラでの破壊サービスはありませんでした。
上書きソフトや暗号化ソフトを使って完全消去できるという話も聞きますが、
なんか心配ですよね。
やはり、再起不能となるよう物理的に破壊したいです。
SSDはモノが小さいので、
プラスチックの筐体を外して力業でペンチで折り曲げたり粉々にしたりすることができそうです。
でもまだ捨てようと思ったことなくて未経験。
破壊することがあったらまた報告します。
まとめ。ハードディスクは徹底的に破壊してから捨てるべき
というわけで
この業界の人のほとんどは
業務用のハードディスクに関してはリサイクルはNO!と思っているので
念には念を入れて物理的廃棄をしてから捨てると思います。
(もちろん私も)
モノを買うのはカンタンでも捨てるのは本当に難しい時代だなと思いました。
クラウドのほうが楽なのかな。この点も調査をすすめたいと思っています。